初釣り〜前編〜

大学院の前期課程を終え、院生の親睦ボーリング大会もなんとか無事終わり、ようやくー段落着き夏休みに突入しようというときだった。友人が釣りに行こ〜行こ〜と言って止まない。僕自身釣りに行ったことがなく一度はやってみたいと思っていたので参加することにした。

場所は東京都青梅市にある奥多摩で釣り&バーベキュー! 大丹波国際釣り場という釣り場。

大学を出発し約1時間半後、現地に着くと都内とは思えぬ周りの深緑と澄んだ空気に驚く。

竿をレンタルし釣りポイントまで移動。まだ朝の7時を回ったばかりだというのに年配の方や家族連れの姿がちらほら見られる。釣りとはこんな早朝からやるものなんだと実感し、普段昼頃まで寝ている自分に少し恥じらいを感じる。

釣りポイントまで着くと、仕掛けやライン等各自準備を始める。僕はレンタルした竿に餌を付けるだけの作業だったのですぐに釣りを開始することが出来た。しばらく手応えがないなか、後から来た中年のいかにも出来そうな人が軽く釣り上げる。そんな状況に焦りが出てしまったのか、最初の事件が起こる。竿を岸に戻そうとした時力んでしまい、不覚にもラインが自分の竿に絡まってしまった。そこで友人に相談すれば良かったのだが、すぐに直せると思い自力で解こうとしたのが大間違いだった。複雑に絡まった糸と鋭い針に予想以上に苦戦。見兼ねた友人が助けに来るが、もはや後には退けず大丈夫だと気丈に振る舞う。結局竿を元通りにするのに1時間近くかかってしまった。


そのとき僕は、自分に降り掛かるさらなる苛酷な運命を知る由もなかった…